建築物環境衛生管理技術者(ビル管)とは?仕事内容・受験資格・選任義務を解説

建築物環境衛生管理技術者(ビル管)とは?

建築物環境衛生管理技術者とは建築物の環境衛生に関する知識を有することを証明する国家資格です

一般的には

  • ビル管
  • ビル管理士

と呼ばれています

ビルメンテナンス業界では非常に知名度が高く、設備管理員が目標とする代表的な資格の一つです

試験では

  • 空気環境
  • 給排水
  • 清掃
  • 害虫防除
  • 建築構造
  • 関係法令

など建築物の環境衛生に関する幅広い知識が問われます

なお資格を取得しただけで特別な権限が与えられるわけではありません

実際に建築物環境衛生管理技術者として業務を行うためには、特定建築物の統括的な環境衛生管理者として選任される必要があります


建築物環境衛生管理技術者は何をする人?

建築物環境衛生管理技術者は建物利用者が快適かつ衛生的に過ごせる環境を維持するための管理を行います

ただし実際に点検や清掃を行うことが仕事ではありません

重要なのは

「環境衛生管理が適切に実施されているかを監督すること」

です

例えば

  • 空気環境測定結果の確認
  • 水質検査結果の確認
  • 貯水槽清掃状況の確認
  • 清掃業務の管理
  • ねずみ・昆虫等防除の管理

などを行います

つまり現場作業員ではなく管理監督者としての立場になります


特定建築物とは?

建築物環境衛生管理技術者が選任されるのは建築物衛生法で定められた「特定建築物」です

全ての建物に選任義務があるわけではありません

特定建築物とは

  • 事務所
  • 店舗
  • 百貨店
  • ホテル・旅館
  • 学校
  • 図書館
  • 興行場(映画・演劇・音楽・スポーツ・演芸など)
  • 遊技場(麻雀・パチンコ・卓球・ボウリングなど)

など不特定多数の人が利用する建物を指します

さらに特定用途部分の延べ面積が

  • 3,000㎡以上
  • 学校は8,000㎡以上

であることが条件です


建築物環境衛生管理技術者の選任義務

特定建築物の所有者等は建築物環境衛生管理技術者を選任しなければなりません

選任された建築物環境衛生管理技術者は

  • 空気環境管理
  • 給排水管理
  • 清掃管理
  • ねずみ・昆虫等防除管理

について統括的な管理を行います

ここで重要なのは

「資格保有者」と「選任されている建築物環境衛生管理技術者」は必ずしも同じではない

ということです

資格を持っていても選任されていなければ法的な管理責任はありません

一方で特定建築物に選任された場合は環境衛生管理の中心的な役割を担うことになります

建築物環境衛生管理技術者になるメリット

ビルメンテナンス業界で高く評価される

建築物環境衛生管理技術者はビルメンテナンス業界において非常に評価の高い国家資格です

特定建築物には選任が必要であることから需要が安定しており、多くの設備管理会社が資格保有者を求めています

そのため転職時や社内評価において有利になるケースも少なくありません

資格手当が支給されることが多い

会社によって異なりますが資格手当が支給される場合があります

金額は月額数千円から一万円以上まで様々ですが、長期間勤務することを考えると大きな差になります

設備管理の知識が体系的に身につく

ビル管試験では

  • 空調設備
  • 給排水設備
  • 建築構造
  • 清掃
  • 害虫防除

など幅広い知識を学びます

そのため資格取得を目指す過程で設備管理員としての知識も向上します


建築物環境衛生管理技術者になるには?

受験資格となる実務経験が必要

ビル管は誰でも受験できる資格ではありません

受験するためには建築物衛生法で定められた実務経験が必要です

必要年数は学歴によって異なります

学歴必要実務経験
大学卒業1年以上
短大・高専卒業2年以上
高校卒業3年以上
その他5年以上

設備管理員として働いていても、業務内容によっては実務経験として認められない場合があります

受験を検討している方は事前に確認することをおすすめします

詳しい受験資格については別記事で解説しています

【合格者が語る】建築物環境衛生管理技術者(ビル管)の難易度は高い?合格率だけでは分からない本当の難しさ

国家試験に合格する

受験資格を満たした後は国家試験に合格する必要があります

試験科目は全部で7科目です

  • 建築物衛生行政概論
  • 建築物の構造概論
  • 建築物の環境衛生
  • 空気環境の調整
  • 給水及び排水の管理
  • 清掃
  • ねずみ・昆虫等の防除

出題範囲は広いですが、一つ一つの内容は設備管理業務と関わりが深いものが多くなっています


建築物環境衛生管理技術者の難易度

合格率は20〜30%程度

ビル管試験の合格率は例年20〜30%程度で推移しています

国家資格としては比較的難しい部類に入ります

難しい理由は足切り制度

ビル管試験の特徴は科目合格制度がないことです

さらに各科目に足切り点が設定されています

そのため得意科目だけでは合格できず、全科目をバランスよく勉強する必要があります

詳しい難易度については別記事で解説しています

【合格者が語る】建築物環境衛生管理技術者(ビル管)の難易度は高い?合格率だけでは分からない本当の難しさ


建築物環境衛生管理技術者の勉強方法

ビル管試験は出題範囲が広いため効率的な勉強が重要です

私自身が合格した経験から言えることは

「過去問を中心に勉強すること」

です

特に足切りの危険がある

  • 清掃
  • ねずみ・昆虫等の防除

は早めに学習することをおすすめします

実際の勉強スケジュールや勉強方法については別記事で詳しく解説しています

【合格者が教える】建築物環境衛生管理技術者(ビル管)の勉強法|独学で合格するための学習スケジュール


私が建築物環境衛生管理技術者を取得しようと思った理由

こんなに大変な試験なのに頑張って取得したのには理由があります

給料が上がる

資格を取得することで毎月の手当が貰えたので取得しようと思いました

(資格手当は企業によって金額が変わるため、気になる方は社則をご確認ください)

特にビル管は勤務先によっては選任される可能性があります

私は資格手当に加えて選任されることで支給される手当も視野に入れていました

ビルメンテナンス業界は平均年収が低い傾向にあります

そのため少しでも給料を上げたい方は資格を取得することが一番手っ取り早いです

会社や周囲からの評価が上がる

ビル管は簡単に合格できる資格ではありません

そんな資格を取得したからこそ会社や同僚から評価を得られます

特に取得資格が昇進に影響を及ぼす企業に勤めている方なら尚更取得しないと話になりません

昇進意欲がある方であればビル管取得をためらう理由はないので一念発起して受験してみましょう

転職時に有利になる

転職サイトに登録してみると必ずあるのが所持資格の項目です

ここが空欄だと印象が良くないことは皆さんお分かりになると思います

実体験としてビル管を取得してからは転職エージェントからのメッセージにビル管が出てくる機会が増えています

ビル管の所持は一定の知識を有することの裏付けでもあります

自分が転職を考えた時に少しでも有利になるような条件を整えておくならビル管の取得はかなり強力です

受験申請時期の毎年6月に悩むことがなくなる

ビル管は毎年6月初旬が受験申請時期となります

この時期は上司や後輩からの『今年はビル管受験するんだよな?』という圧力がかかってきます

会社である程度の立場になった時にビル管を持っていないと上司からガンガン詰められます

ビルメンテナンス業界ではビル管取得は必ず付きまとう課題です

毎年憂鬱な気持ちになるより本気で取得に挑戦した方が絶対にいいと断言します


よくある質問

ビル管とビル管理士は違う資格ですか?

違いはありません

正式名称が建築物環境衛生管理技術者であり、通称としてビル管やビル管理士と呼ばれています

ビル管は独学で合格できますか?

可能です

実際に独学で合格している人も多く存在します

ビル管を取得すると年収は上がりますか?

資格手当や転職時の評価向上につながるケースがあります

ただし会社によって待遇は異なります

ビル管を持っているだけで選任されますか?

選任されません

資格取得後に建物所有者等から選任されて初めて建築物環境衛生管理技術者として法的な役割を担います


まとめ

建築物環境衛生管理技術者は建築物の環境衛生管理に関する国家資格です

一方で特定建築物に選任された建築物環境衛生管理技術者は建物全体の環境衛生管理を統括する重要な役割を担います

ビルメンテナンス業界で長く働くのであれば取得する価値は非常に高い資格と言えるでしょう

まずは仕事内容や役割を理解し、受験資格を満たしている方は取得を目指してみてください

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