「ビルメンテナンスって1日何をしている仕事なんだろう」
未経験からビルメンテナンス業界へ転職を考えている方なら一度は気になる内容ではないでしょうか
ネットでは「ビルメンは楽」「暇な仕事」といった意見も見かけますが、実際は現場や勤務形態によって仕事内容は大きく異なります
この記事では実際にビルメンテナンスとして勤務してきた筆者の経験をもとに、日勤・当直・夜勤それぞれの1日の流れや仕事内容について詳しく解説します
これからビルメンテナンスを目指す方はぜひ参考にしてください
この記事で分かること
- ビルメンテナンスの1日の流れ
- 日勤・当直・夜勤の違い
- ビルメンテナンスの仕事内容
- ビルメンは本当に楽なのか
ビルメンテナンスの1日の仕事【結論】
ビルメンテナンスの仕事は勤務形態によって大きく分かれます
- 日勤:日常点検・契約点検・トラブル対応
- 当直:24時間設備を監視しながらテナント対応
- 夜勤:夜間しかできない点検や工事対応
まずはそれぞれの1日の流れを簡単に見てみましょう
日勤のスケジュール例
- 08:30 出社・勤務準備
- 09:00 朝礼
- 09:30 日常点検
- 12:00 昼休憩
- 13:00 日常点検
- 15:30 日常点検終了、点検帳票のまとめ
- 16:00 自分の業務実施
- 17:30 退社

当直のスケジュール例
- 08:30 出社・勤務準備
- 09:00 朝礼
- 10:00 ビルマネジメント社への報告
- 11:00 当直の引き継ぎ
- 12:00 昼休憩
- 13:00 当日の確認事項や不具合対応の実施・まとめ
- 19:00 夜休憩
- 20:00 翌日の確認事項や不具合対応の確認
- 24:00 仮眠
- 07:00 起床、仮眠中の警報や不具合確認
- 09:00 朝礼
- 10:00 ビルマネジメント社への報告
- 11:00 当直の引き継ぎ
- 12:00 退社

夜勤のスケジュール例
- 20:00 出社、当日の夜間対応内容確認
- 21:00 夜間対応開始(法定点検や改修工事の立会い、夜間設備点検など)
- 01:00 休憩
- 02:00 勤務再開
- 04:00 作業終了、報告書作成、引継ぎなど
- 05:00 退勤

勤務時間は現場によって多少異なりますが、大まかな流れはどこの現場でも似ています
ビルメンテナンスの仕事内容
ビルメンテナンスの勤務形態ごとの違いを一覧表にまとめました
まずは全体像を把握してから、それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう
| 項目 | 日勤 | 当直 | 夜勤 |
|---|---|---|---|
| 主な勤務時間 | 9:00~17:30(現場による) | 9:00~翌09:00(24時間勤務が一般的) | 20:00~翌5:00など(現場による) |
| 勤務時間 | 約8時間 | 約24時間 | 約8時間 |
| 主な仕事内容 | 日常点検・契約点検・トラブル対応 | 設備監視・緊急対応・引継ぎ・巡回 | 夜間工事立会い・設備監視・緊急対応 |
| 設備点検 | ◎ 毎日実施 | △ 必要最低限 | △ 夜間のみ実施する場合あり |
| テナント対応 | ◎ 最も多い | ○ 夜間の問い合わせ対応 | △ 施設による |
| 緊急対応 | ○ 発生時のみ | ◎ 最も多い | ◎ 夜間設備異常への対応 |
| 巡回点検 | ◎ | ○ | ○ |
| 中央監視室での監視 | ○ | ◎ | ◎ |
| 仮眠時間 | × | ○(現場による) | △ (現場による) |
| 残業の多さ | ○ トラブル次第 | ○ 引継ぎ状況による | △ 工事内容による |
| 精神的な負担 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| 体力的な負担 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 未経験者の担当 | ◎ 最初に担当することが多い | ○ 慣れてから担当 | ○ 慣れてから担当 |
| 経験者のおすすめ度 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
ビルメンテナンスの仕事は設備を修理するだけではありません
建物を安全かつ快適に利用できるよう設備を維持管理することが最大の目的です
仕事内容は大きく分けると次の3つになります
- 日常点検
- 契約点検
- トラブル対応
この3つがビルメンテナンス業務の基本となります
日常点検
日常点検とは設備機器が正常に運転しているかを確認する業務です
ポンプや空調機、受変電設備などを巡回し、計器の数値や異音、異臭、振動などを確認します
私は日常点検こそビルメンテナンスの実力が最も現れる業務だと考えています
正常な状態を知らなければ異常に気付くことはできません
日頃から設備の状態を把握している人ほど異常の発見も早くなります
契約点検
契約点検とは建物オーナーとの契約に基づいて実施する定期点検です
設備ごとに月1回や半年に1回など実施回数が決められています
代表的な点検対象は次のような設備です
- 受変電設備・電気設備
- 空調設備
- 給排水設備
- 消防設備
契約で決められた点検を実施しないと契約不履行となるため非常に重要な業務です
トラブル対応
設備の故障やテナントからの問い合わせへ対応する業務です
「空調が効かない」「トイレが流れない」「照明が点灯しない」など内容はさまざまです
トラブル対応が発生すると予定していた点検を中断することも多く、業務負荷が大きくなります
反対にトラブルが少ない日は予定より早く仕事が終わることもあり、定時までは自分の仕事や資料整理を行います
ビルメンテナンスの1日の流れ【日勤編】
日勤の仕事内容は現場によって多少異なりますが、基本となる業務は「日常点検」「契約点検」「トラブル対応」の3つです
これらの業務を優先順位を考えながら進めることが日勤者の役割となります
朝礼・引継ぎ
出社すると最初に行うのが朝礼と当直者からの引継ぎです
夜間に設備異常やテナント対応が発生していないかを確認し、その日の注意事項や点検予定を共有します
この引継ぎを怠ると同じ対応を二重に行ってしまったり、重要な設備異常を見落としたりする原因になります
日常点検
設備機器に異常がないか巡回し、計器の数値や異音、異臭、振動などを確認します
日常点検は一見すると単純な仕事ですが、正常な状態を理解していなければ異常を見つけることはできません
経験豊富なビルメンほど設備のわずかな変化にも気付きやすく、重大な故障を未然に防ぐことができます

契約点検
日常点検が終わると契約点検を進めます
契約点検とは建物オーナーとの契約に基づいて実施する定期点検であり、月次点検や年次点検など決められた周期で実施します
点検対象は空調設備、給排水設備、電気設備、消防設備など多岐にわたり、報告書の提出までが業務となります
契約点検は実施漏れが許されないため、年間スケジュールを把握しながら計画的に進めることが重要です
トラブル対応
ビルメンテナンスの仕事で最も予定を狂わせるのがトラブル対応です
例えば次のような問い合わせが頻繁に発生します
- 空調が効かない
- トイレが詰まった
- 照明が点灯しない
- 漏水している
- 異音がする
トラブル対応は契約点検と違って件数が決まっていません
そのため対応が長引くと予定していた点検が実施できず、残業になることも珍しくありません
反対にトラブルが少ない現場では時間に余裕が生まれ、資格勉強や担当業務を進められることもあります
私のトラブル対応の経験を一部ご紹介します
- 基本的に毎日トラブルは発生していた(平日土日は関係なし)
- 1日の対応件数は平均2〜4件程度(内容はピンキリ)
- 印象に残っているトラブル対応はスプリンクラー設備の誤放射
- ビルメン初心者はどのトラブル対応でも必ず着いて行くことを強く勧めます
ビルメンテナンスの1日の流れ【当直・夜勤編】
ビルメンテナンスの特徴とも言えるのが当直勤務です
現場によっては夜勤のみの場合もありますが、多くのオフィスビルでは当直勤務を採用しています
当直業務
当直は24時間以上ビルへ常駐し、設備の監視や緊急対応を行う勤務形態です
勤務中は設備巡回だけでなく、中央監視室で警報監視やテナントからの問い合わせ対応も行います
また翌日の日勤者へ正確に引き継ぐため、対応内容や設備異常を記録することも重要な仕事です
当直では設備知識だけでなく判断力や対応力も求められるため、多くの現場で一人前のビルメンになるための登竜門と言われています

夜勤業務
夜勤は夜間だけ勤務する勤務形態です
一般的なオフィスビルでは採用されることは少なく、大規模商業施設や病院、データセンターなど24時間稼働する施設で採用されることが多くなります
夜間は利用者が少ないため、店舗改修工事や停電作業、法定点検など昼間では実施できない作業が中心となります
昼夜逆転の生活になるため体調管理が重要となり、生活リズムに慣れるまでは苦労する方も少なくありません
ビルメンは本当に楽なのか?
「ビルメンは楽な仕事」と言われることがありますが、これは半分正解で半分間違いです
実際の忙しさは現場によって大きく異なります
- オフィスビルは土日や夜間が比較的落ち着く傾向
- 商業施設は土日祝日が最も忙しい
- 病院は24時間体制で緊張感がある
- ホテルは宿泊客対応が発生しやすい
- データセンターは設備停止が許されず責任が重い
つまり「ビルメンは楽」というより、「現場によって忙しさが大きく変わる仕事」と考える方が正確です
筆者も複数の現場を経験しましたが、同じビルメンテナンスでも仕事内容や忙しさは大きく異なりました
ビルメンテナンスに向いている人
ここまで仕事内容を紹介してきましたが、ビルメンテナンスには向き・不向きがあります
もちろん経験を積めば誰でも成長できますが、次のような方は特にビルメンテナンスに向いているでしょう
設備に興味がある人
ビルメンテナンスでは電気・空調・給排水・消防設備など幅広い設備を扱います
設備を見ることや仕組みを理解することが好きな方は楽しみながら仕事を覚えられます
冷静に行動できる人
設備故障や漏水など突然のトラブルは避けられません
慌てず状況を整理し、一つずつ原因を確認できる人ほど現場では頼られる存在になります
資格取得が好きな人
ビルメンテナンス業界は資格社会です
電気工事士や危険物取扱者、ボイラー技士、建築物環境衛生管理技術者など資格を取得するほど仕事の幅も評価も広がります
コミュニケーションを取れる人
設備管理というと機械だけを相手にする仕事と思われがちですが、実際にはテナントや協力会社とのやり取りが毎日あります
最低限のコミュニケーション能力があるだけでも仕事は非常に進めやすくなります
筆者が実際に感じたビルメンテナンスの魅力
10年ほど働いたビルメンの魅力をご紹介します
自分の成長を明確に感じられる
ビルメン未経験で入社したので簡単な対応ですら最初はできない状態でした
そこから様々な経験を経て、1人で不具合対応ができるようになった時は嬉しく感じました
特にビルメンは設備の故障や不具合の是正が目で見えてわかるので達成感を強く感じることができます
資格取得で仕事の目線が変わる
資格の取得を志すと資格に関わる設備に対してもっと知りたいという気持ちが芽生えます
ビルメンは知識が付いてくると仕事が面白く感じる要素が多くあります
また、紙で得た知識を目の前の設備で確認できるのでただの勉強にならないことも良い要素です
資格取得で給料も上がるため、資格勉強はポジティブに取り組んでいきましょう
シフト勤務で自分の予定が立てやすい
ビルメンは基本的にシフト勤務なので自分の予定を立てやすい環境です
独身は休日を趣味の時間に充てやすく、充実した日々を送りやすいと感じます
既婚者であれば家庭の予定に合わせて休みを取得できるので家庭円満になりやすい環境でもあります
よくある質問
ビルメンテナンスは本当に楽な仕事ですか?
現場によります
オフィスビルは比較的落ち着いていることが多い一方、商業施設や病院などは忙しい現場も少なくありません
未経験でも働けますか?
未経験歓迎の求人も多くあります
第二種電気工事士などの資格があると採用されやすくなります
当直では仮眠できますか?
多くの現場では仮眠時間が設けられています
ただし設備異常や緊急対応が発生した場合は対応が優先となります
残業は多いですか?
通常は多くありません
ただし設備故障や改修工事が重なる時期は残業が増えることもあります
資格がなくても働けますか?
働くことは可能です
しかし昇給や転職を考えると資格取得は早めに行うことをおすすめします
まとめ
ビルメンテナンスの仕事は日勤・当直・夜勤によって仕事内容が大きく異なります
日勤では設備点検やトラブル対応を中心に行い、当直では建物全体の管理と緊急対応を担当します
現場によって忙しさは異なりますが、設備に興味がある方や資格取得を目指したい方には非常にやりがいのある仕事です
この記事がビルメンテナンス業界を目指す方の参考になれば幸いです
